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物語 - その他関係
13 - 狂歌に見る 日米国交のはじまり - 竹村義明

狂歌に見る 日米国交のはじまり

2011 年 2 月              竹村義明

 

泰平の眠りを覚ます上喜撰
たった四杯で夜も寝られず

 

ぐっすり寝て、朝起きたときの眠気覚ましの宇治のお茶。
たった四杯飲んだだけなのに、夜になってもねられない。

 京都宇治は日本一のお茶所。高級緑茶銘柄は「喜撰」で、
「上喜撰」は最高級緑茶だった                 

嘉永6年(1853)ペリー提督 (Commodore Perry) 率いるアメリカの軍艦
(黒船蒸気船)四隻、神奈川沖の浦賀に来航した。徳川幕府の発足以来、日本
は鎖国政策を採って諸外国との門戸を閉じていたので、ペリーの来航は日本を
ゆるがした。その当時の日本を風刺して、「上喜撰」を「蒸気船」と架けて、
次のような狂歌が作られた。
                            

  

泰平の眠りを覚ます蒸気船
たった四杯で夜も寝られず

 

天下泰平の江戸時代、寝耳に水の黒船来航
わずか四隻来ただけなのに 日本国中大騒ぎ

泰 平      天下泰平の江戸時代、ぐっすりと熟睡安眠の状態     
上喜撰     「喜撰」は緑茶の銘柄の一つ。「上喜撰」は最上級緑茶   
蒸気船     ペリーの艦隊は蒸気船(steam ship)だった        
四 杯      四隻と同じ。ぺリーは4隻の黒船で来航した。       
    船を一杯、二杯と数える事もある。お茶の4カップ
寝られず    朝飲んだ眠気覚ましのお茶のため、夜になっても眠れない。
心配事ができて 夜もうとうと眠れない  

 

ペリーの来航は日米関係の始まりであると同時に、日本の諸外国との国交の始
まりとなった。                                    

 

        「狂歌に見る日米国交の始まり」  おわり

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